北欧紅茶

栗の渋皮煮 紅茶風味

すっきりとした甘さでほくほく!上品な“よそいき”おやつ「栗の渋皮煮 紅茶風味」

栗を使ったお菓子のひとつ、「栗の渋皮煮」。なんとなく手がかかるような印象がありますが、工程自体はむずかしいことはないので、ご家庭でも作ることができます。

今回はそんな栗についてのお話と、北欧紅茶の「ティーセンターブレンド」を使った「栗の渋皮煮 紅茶風味」をご紹介します。

とても古くから食べられている「栗」

日本と朝鮮半島南部が原産といわれる栗は、縄文時代から食べられていました。ヤマグリ・シバグリといった野生種と、野生種から改良されたオオグリなどの栽培種があります。野生種の方が粒は小さいものの、甘くて濃厚な味わいといわれています。

栗の品種にはたくさんのものがありますが、大きく分類すると、粒の大きく水分の多い「日本栗」、小粒で甘さ控えめな「ヨーロッパ栗」、小粒で甘い「中国栗」、甘味が強く渋皮がむきやすい「アメリカ栗」の4系統に分かれます。

日本栗はゆでる調理法で、ヨーロッパ栗はマロングラッセに、中国栗は天津甘栗などの焼き栗に向いている一方で、アメリカ栗は病気に弱く、現在は食用としてはほとんど出回っていません。

日本の栗の産地

日本において栗はほぼ全国で栽培されていて、主な産地には茨城県、熊本県、愛媛県、岐阜県が挙げられます。ブランド栗として有名な「丹波栗」は、京都の丹波地方で摂れる栗を指していますが、品種名ではありません。このあたりで獲れる総称のことを指し、大粒で肉質が詰まっていて、風味が強いのが特徴です。しかし生産量は全体量の1%ほどで、とても少ないといえます。

さまざまなお菓子や料理で食べられている栗

栗は現在、さまざまな料理やお菓子に使われています。日本では日本栗は焼き栗や栗ご飯、栗きんとんや栗ようかんなどで食べられます。ヨーロッパでもよく食べられており、マロングラッセやモンブラン、焼き物・煮込み料理などに活用されています。

イタリアでは焼き栗で食べるほかに、「栗の粉」が通年で販売されていて、ケーキやパスタを作ったり、スープに入れて食べられています。

ホクホクした栗に紅茶の風味がじわり♪ 「栗の渋皮煮 紅茶風味」レシピ

栗の渋皮煮は、生栗が出回る秋に作りたいひと品です。北欧紅茶のティーセンターブレンドで風味を付ければ、市販されていないオリジナルの味わいに。いい香りが付いて、ちょっと洋風な仕上がりになりますよ。このままお茶請けとして食べるだけでなく、渋皮煮を使ったスイーツにしても美味しいですよ。

[材料] 作りやすい分量

・生の栗 600g
・重曹 小さじ1と1/2
・砂糖(ざらめ糖) 鬼皮をむいた栗の重量の50〜60%
・北欧紅茶のティーセンターブレンド 10g
・水 適量

【下準備】


北欧紅茶のティーセンターブレンドは、市販のお茶パックに詰めておきます。

作り方

1.栗の鬼皮をむく



①栗をボウルに入れて、熱湯に30分ほど浸けたら鬼皮をむきます。



栗はお尻の部分を少し切り落とし、そこから頭頂部へ少しずつそぐようにして、鬼皮をむいていきましょう。

半分ほどむくと、残りはすっと取れるようになります。むいた栗は乾燥しないように、水を入れた別のボウルに入れます。


2.栗の渋抜きをする



②鍋に①の栗を入れて、栗が浸るくらいの水と重曹を加えて中火にかけます。
お湯に重曹に入れると、重曹を入れる効果がなくなってしまうので注意してください。



沸騰したら弱火にして、栗が踊らないように10分ほどコトコトと煮ます。アクを取りながら煮ていきましょう。



③煮汁をすべて捨てて、栗を流水にさらして乾燥させないようにします。使っていた鍋はさっと洗います。



④栗が少し冷えて触れるぐらいになったら、表面をさっとこすって表面を軽くきれいにします。



⑤再び鍋に栗とかぶるくらいの水を入れて中火にかけ、沸騰したら弱火にして10〜15分ほどゆでます。

渋皮が固いようなら、重曹(小さじ1)を加えて煮ます。



⑥ ③の工程と同様に、煮汁を捨てて栗を流水にさらします。少し冷えたら、栗の状態を確認します。

渋皮が固いようであれば、⑤のように鍋に水と重曹を加えて再度栗を煮ます。栗のみが固いようなら、もう一度水のみで栗をゆでます。



⑦鍋に栗とかぶるくらいの水を加えて中火にかけ、沸騰したら弱火にして栗の中に火が入っているかどうか食べてみて確かめます。
まだ芯があるようなら、10〜15分ほど煮ます。



⑧このあたりになってくると、黒かった煮汁が透き通ってきます。火からおろして煮汁を半分ほど捨て、捨てた量の水を加えます。

ゆでたての栗は空気に触れたり急激に冷やすと割れてしまうため、こうしてゆっくりと冷まします。



⑨栗が充分に冷えたら、1個ずつ竹串や爪楊枝で表面をこすり、表面をきれいにします。太い筋は栗を傷つけないよう、竹串ですくい取りましょう。


3.栗を煮る



⑩鍋に⑨と栗がひたひたになるくらいの水、半量の砂糖、紅茶の茶葉を加えて中火にかけ、煮立ったら残りの砂糖を加えます。



⑪再度煮立ったらアクを取り、弱火にして落しぶたをし、コトコトと30分ほど煮ます。

煮汁が少なくなってややとろみがついてきたようなら、火を消しましょう。そのまま冷ましたらできあがりです。



保存容器に栗とひたるくらいの煮汁を入れて、冷蔵庫で保存します。1週間を目安に食べ切りましょう。

冷凍保存も可能で、自然解凍して食べられますが、若干やわらかい食感になります。その場合も、煮汁ごと保存容器または保存袋に入れて冷凍庫へ。半年ほど保存できます。


上手に作るポイント

鬼皮をきれいにむくことがポイントです。熱湯に浸けると、鬼皮だけがやわらかくなってむきやすくなります。コツをつかむと鬼皮は簡単にむくことができるので、手を滑らせないように気を付けて行ってください。

生の栗はとてもデリケートです。途中で乾燥しないように水に浸けたり、摩擦や急な温度差で割れないように丁寧に煮ていくと、きれいな形に仕上がります。またアク取りをすると、雑味やえぐみを取り除くことができますよ。

紅茶がしみてふっくら♪ 市販にはないオリジナルの味わい

まあるい栗がふっくらと煮えた渋皮煮は、渋皮と紅茶の茶葉で褐色がかっています。紅茶の茶葉を加えて煮ると、甘味がしつこくなくすっきり。ホクホクッとした栗の食感とともに、口の中でふわりと紅茶の香りが広がって、上品な味わいです。

北欧紅茶のティーセンターブレンドを使うと、長時間煮込んでも茶葉の渋みや苦みといったものがまったく出ず、紅茶の旨みのみを栗に付けることができます。煮汁を飲んでも渋みはありません。

そのままお茶請けとして食べるのはもちろん、焼き菓子にアレンジしてもおすすめです。バニラアイスや手作りプリンにシロップごとかけても、お手軽で美味しくいただけますよ。

まとめ

栗の渋皮煮は、ポイントをおさえておけば鬼皮むきも簡単で、簡単に作ることができます。北欧紅茶の「ティーセンターブレンド」を加えて煮ると、すっきりとした甘さに仕上がって、品のいい“よそいき”の味わいに。なかなか市販されていない美味しさなので、生栗が手に入ったらぜひご家庭で作って味わってみてください。

Profileこのレシピを考えた人

Raico

パティシエ兼フードライター。
情報誌の編集・ライターとして勤務後、パティシエとしてホテル・洋菓子店・カフェレストランにて修行を重ねる一方で、マクロビオティックや薬膳など複合的に食分野を学ぶ。
「食べることは生きること」。“美味しいものに出会う”一期一会を楽しみながら、居心地のいい空間を探し中。

《資格取得》
製菓衛生師
フードコーディネーター
フードアナリスト
ラッピングコーディネーター

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