北欧紅茶

北欧のフィーカをご家庭で!フィンランド風シナモンロール

北欧のフィーカをご家庭で!フィンランド風シナモンロール

北欧を代表する料理といえば、きっと真っ先に思い浮かぶのは何と言ってもこのシナモンロールです。

コーヒーが大好きな北欧の方々は、朝食やお茶の時間にコーヒーと一緒にシナモンロールを良く召し上がります。フィンランドを舞台にした映画・かもめ食堂では、シナモンロールの匂いにたまらず店内に入って来るご婦人方が印象的に描かれていました。

かもめ食堂になぞらえば、日本人にとっての「おにぎり」のようなとっても身近なソウルフードであるシナモンロール。今回は、そんな北欧を語る上で欠かせないペストリーを北欧紅茶を使って作ってみました。ぜひ、北欧の香りをご家庭でもお楽しみください。

シナモンロールのレシピ

本場・北欧のシナモンロールは、シナモンだけでなくエキゾチックな香りのカルダモンがしっかりと効いた少しスパイシーな一品。

今回は、日本人の方の口に合うよう少し穏やかなレシピにしてありますので、もし本場のように香り高く作りたい方はシナモンやカルダモンを多めに調節してお好みの味を見つけてみてください。

北欧風シナモンロールの材料(6〜8個分)



【パン生地】
・強力粉…300g
・牛乳…150cc
・ドライイースト…小さじ1
・砂糖…30g
・バター…60g
・カルダモンパウダー…小さじ1/2
・卵…1/2個



【フィリング】
・バター…適量
・シナモン…適量
・砂糖…適量



【トッピング】
・スパイスブレンド…小さじ1
・牛乳…大さじ1
・粉糖…75g
・卵白…1/2個
・アーモンドダイス…適量

卵は全卵1個で全ての工程をまかなえます。はじめにフィリング用の白身を大さじ1/2ほど分けておき、残りは解きほぐして生地とドリュールに使用します。(焼く前に表面を卵でコーティングしてツヤを出すことをドリュールと言います)
解きほぐした卵はドリュール用に小さじ1ほど残して生地に加えるとちょうど良い分量になります。

北欧風シナモンロールの作り方

1: 片手鍋にバターを入れて火にかけて溶かしましょう。そこへ牛乳とカルダモンを加えて香りを出し、人肌程度に温めます。人肌より熱いとイースト菌が死活してしまうので注意して行いましょう。

2: 1をボウルに移し、イーストと砂糖を混ぜ溶かしたら少しずつ強力粉と溶き卵(1/2個分)を加えて混ぜていきます。

3: はじめはポロポロとしていますが、捏ねているうちにひとまとまりになります。15〜20分ほど良く捏ねて、丸く形をまとめたら濡れ布巾をかけて1次発酵させましょう(30分〜1時間)。冬場など部屋が寒い時はオーブンや電子レンジの発酵機能を使うと便利です。

4: 一次発酵が終わるとこのくらいに膨らみます。生地は水分や粉が均一になり落ち着いて、手触りがなめらかになります。

5: 成形していきます。綿棒で平たく伸ばし、長方形を作りましょう。そこへ柔らかくしたバターを塗って、シナモンと砂糖を満遍なくふりかけます。この時上下どちらかの端1.5cmほどにはフィリングを乗せないようにすると、巻き終わりを閉じやすく綺麗に仕上がります。
砂糖とシナモンは少し多めに振った方が存在感があって美味しいでしょう。

6: くるくると海苔巻きの要領で巻いていき、最後は生地をつまむようにしてしっかりと閉じておきましょう。棒状になったら、ハの字にカットします。



7: ひとつずつ取り出し、図のように頂点になる部分を指や菜箸でぎゅっと潰すようにして二つの渦巻きが見えるように成形しましょう。



8: 全て成形できたら、天板に並べた状態で30分間二次発酵を行います。

9: ふっくらと発酵したら、220℃に予熱したオーブンで15分ほど焼きましょう。時々覗いてみて、ご家庭のオーブンと相談しながら焼きあげてください。こんがりと焼き色がつけばOKです。粗熱をとっておきましょう。

10: トッピングを作っていきます。耐熱容器に牛乳とスパイスブレンドの茶葉を加え、電子レンジで加熱しましょう。煮出したような色と香りがつけばOKです。別の器に卵白と粉糖を混ぜ、そこへスパイスブレンドの香りをつけた牛乳を小さじ1/2ほど加えましょう。良く混ぜれば北欧紅茶風味のアイシングの完成です。スプーンを使って焼きあがったシナモンロールにかけていきましょう。そこへローストしたアーモンドダイスを乗せれば、北欧風シナモンロールの完成です。


北欧風シナモンロールを美味しく作るポイント

カルダモンの香りを豊かに

はじめに牛乳とバターにカルダモンを加えて熱する工程がありますが、この一手間でカルダモンがふわっと香り仕上がりが全く変わってきます。

北欧の焼き菓子やパンには良く使われるカルダモンですが、実は北欧紅茶のスパイスブレンドにもブレンドされているのです。まさにこれは北欧の香り。ぜひこの一手間を惜しまずに、本場の香りをお楽しみ下さい。

北欧紅茶のアイシングでさらに香り豊かに

シナモンロールのアイシングといえば、クリームチーズ風のものやさっぱりとした卵白メインのものが多いですが、今回はそこへ北欧紅茶の中でもチャイのような香りが豊かなスパイスブレンドの香りをつけています。

加熱すると飛んでしまいがちな繊細な香りも、アイシングとして使用する事でダイレクトに口の中にふんわりと広がります。普通のシナモンロールと比べ、口に含んだ時にふわっと紅茶の香りがする上品な仕上がりに。コーヒーはもちろん、紅茶とも相性の良いシナモンロールです。

お好みの国の成形で

北欧風シナモンロールと一口に言っても、実はその国々で形や味が違うのだそう。今回作ったのは、かもめ食堂でおなじみのフィンランド風の成形。フィンランド語でシナモンロールの事を「コルヴァプースティ」と言いますが、これは「潰れた耳」という意味だそうです。今回のレシピにも、まさに生地を潰して成形する工程がありますね。

ちなみにお隣の国スウェーデンではねじって巻いたような形に、日本でおなじみのロールを輪切りにした形はデンマークのものだそうです。ぜひお気に入りの形を見つけて、何度でも作ってみてくださいね。

部屋中に広がる北欧の香りを楽しんで

今回は、北欧を代表する焼き菓子・シナモンロールのレシピを紹介しました。

手作りのパンはどうしても時間が経つと固くなってしまうもの。そんな時は、電子レンジで15秒ほど温めてみて下さい。パンの中の水分が蒸発し、ふっくらとした食感が戻ります。

家でパンを捏ねるとなると、たくさんの工程や時間がかかるのでどうしても難易度が高く感じてしまう方も多いと思います。しかし、パン作りはその作っている工程を楽しめるとても贅沢な作業です。温めて立ち込めるカルダモンの香り、少しずつ育っていく生地を扱う楽しさ、焼いている間のワクワクとした時間。部屋中に北欧の香りがいっぱいに立ちこめます。

発酵や焼き上がりを待っている間、私は紅茶やコーヒーを淹れて本を読むのが大好きです。いい香りに包まれながら、フィンランドの方の日常が垣間見える瞬間かもしれません。

ぜひ、時間がたっぷりと取れるお休みの日にパンを捏ねてみませんか?きっとその生地の感触や香りに癒されるはずです。美味しいティータイムが待っている事を信じて、ぜひご家庭でも北欧風シナモンロールを作ってみて下さいね。

Profileこのレシピを考えた人

内田 昌子

管理栄養士・フードスペシャリスト。
企業在籍時に行った栄養指導・料理教室開催・レシピブック作成などの経験をもとに、食のもつ様々な魅力を伝えるwebライターとして活動中。趣味は家族で旅行や音楽フェスに行くこと。2児の母として、美味しくて簡単にできる栄養満点ごはんを作るのに毎日奮闘中。
美味しいだけじゃなく見た目にも内容にも魅力のあるレシピを考案できるよう心掛けています。

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