北欧のポテトサラダ、ペルナサラッティ
私たちにも馴染み深い料理、ポテトサラダ。作り方は家庭によって様々なバリエーションがあります。
そして、国が変われば食材も変わるもの。北欧・フィンランドのポテトサラダである「ペルナサラッティ」は実に特徴的です。
今回は北欧紅茶の「ロイヤルセーデル」でアレンジしたペルナサラッティのレシピをご紹介いたします。
生乳の消費大国・フィンランド
フィンランドは、牛乳の生産量自体は多くないのですが、一人あたりの生乳の消費量が世界で最も多い国です。2015年に国際酪農連盟が出した「世界の酪農状況2015」という報告によると、日本人の約4倍も牛乳を消費しています。
牛乳のみではなく、チーズなどの乳製品も多く食べられており、スーパーの棚に並ぶ乳製品の種類もとても多いです。例えば、牛乳に限ってみても、幅広い乳脂肪分のものが取り扱われています。
フィンランドは寒冷な気候のため、あまり農作にむかず、穀物の生産ができるのは南部の限られた地域のみです。
そのため、草地に依存した畜産業がフィンランドの農業所得を支えてきました。このような背景のため、フィンランドでは様々な乳製品が身近なものとなっているのです。
今ではサワークリームをはじめ、牛乳以外にも様々な乳製品が生み出され、フィンランド国民に愛される食品となっています。
日本料理では馴染みの薄いサワークリーム
フィンランドは隣接しているロシアやスウェーデン、ドイツといった国々から食文化の影響を受け、独自の発展を遂げています。サワークリームというと、ロシア料理にもよくスメタナが登場しますが、ロシアの料理と比べて、フィンランドの料理でサワークリームが用いられることは少ないです。
それでも、ベリーのパイや様々なソースにと、フィンランド料理のレシピにはよく登場する、親しみのある食材なのです。
サワークリームの特徴は、爽やかな酸味と口当たりの滑らかさです。
日本ではお菓子に使うイメージが強いかもしれませんが、お料理に使うとコクと酸味がプラスされて、料理に特徴を出してくれて重宝する食材です。
今回ご紹介するペルナサラッティのレシピでも、サワークリームを使用して、さっぱりした口当たりのポテトサラダに仕上げました。
ペルナサラッティの作り方
じゃがいもは潰し切らないのが北欧風です。今回はマヨネーズを使いません。
サワークリームの爽やかさを引き立て、より香り良いレシピに仕上げるため、北欧紅茶の「ロイヤルセーデル」を使用しました。
材料
・じゃがいも 3個
・きゅうり 1本
・玉ねぎ(あれば新玉ねぎ) 小1玉
・りんご 半玉
・サワークリーム 200g
・ディジョンマスタード 大さじ1
・はちみつ 大さじ1
・にんにく 3片
・ロイヤルセーデル 大さじ1
・ケイパー 大さじ2
・ディル 3房
・塩・ブラックペッパー 小さじ1/2
手順
1. ロイヤルセーデルは乾いたまな板の上で包丁を使って、粗めに刻んでおきます。
2. じゃがいもの皮を剥いて一口大に切って10〜15分程茹でます。
3. きゅうりとりんごは賽の目に切り、りんごは塩水に入れて変色を防ぎます。
4. にんにくと玉ねぎはみじん切りにし、玉ねぎがあまりにも辛いようなら水にさらして辛みを抜きます。
5. ディルは粗めに刻んでおきます。
6. サワークリーム、ディジョンマスタード、はちみつ、にんにくを混ぜて、塩、胡椒で味を整えます。
7. 6と半量のディル、ロイヤルセーデル、冷ましたじゃがいも、きゅうり、りんご、水をしっかり切った玉ねぎを和え、残りのディルとケイパーを散らして完成です。
ペルナサラッティの魅力
今回のレシピではサワークリームを使っているので、さっぱりしており、りんごの甘みやロイヤルセーデルの香りも相まって、どこかデザートのような味わいに仕上がっています。
りんごときゅうりの食感がシャキシャキと心地よく、ケイパーとにんにくがアクセントになっていて食べ飽きることがないのも魅力の一つ。
冷蔵庫でしっかり冷やして、そのままサラダとしてお召し上がりいただくのはもちろん、ボイルした小海老や塩気のある生ハムと一緒に、薄切りのライ麦パンに載せてオープンサンドにしても美味しいです。小海老や生ハムと合わせるときは、ブラックペッパーを少しだけ最後に振るとメリハリのある味に仕上がりますよ。
特別な日のメニューに加えても違和感のない、少しだけ特別感のあるひと品です。
相性の良い北欧紅茶
レシピで使用したロイヤルセーデルなら、香りがぶつかり合うこともなく華やかでありながら爽快感のあるマリアージュをお楽しみいただけます。
ご一緒にお飲みいただくのももちろん素敵ですが、食後にホットで淹れて、香りの余韻に浸っていただくのがおすすめです。
まとめ
今回はフィンランドのポテトサラダ、「ペルナサラッティ」をご紹介しました。乳製品が身近に溢れているフィンランドだからこその、サワークリームを使った爽やかなレシピです。
いつもとは少し違った味わいのポテトサラダを楽しみたい時に、ぜひお試しください。
Profileこのレシピを考えた人
菅原 まりこ
湘南エリアのカフェ勤務調理師。
過去には多国籍料理店に勤務し、メニュー開発や調理指導を行っていました。世界の様々な食材を扱って、様々な異国料理を作成しています。
料理の楽しさや新しい食材の使い方を発信すべく、ライターとして活動しています。
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