北欧紅茶

スウェーデン風「ミートボール」

素朴で美味しい!スウェーデン風「ミートボール」

スウェーデン料理は様々なものがありますが、今回は代表的なミートボールを紹介します。ミートボールのしょっぱさに、リンゴンベリーの甘酸っぱさが加わった定番の家庭料理です。

スウェーデン風ミートボール

ミートボールはどの家庭でも作られている、スウェーデンの家庭料理です。ミートボールをこねる時に、玉ねぎを直接すりおろして混ぜるのがよいという人もいれば、玉ねぎは別に刻んで炒めてから混ぜるほうがよいという人もいます。クリームソースをかける人もいれば、かけない人もいます。クリームソースを絡ませない場合は、ミートボールとともに玉ねぎを加えると、玉ねぎの甘みが合わさりより美味しくなります。スウェーデン風のミートボールを作る上で大切なポイントは、牛乳で湿らせたパン粉を混ぜることです。このポイントを守れば、スウェディッシュミートボール特有の柔らかさが生まれます。

自然のままを味わう料理

スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、アイスランドを一括りにしてスカンジナビア諸国と言います。日本では北欧のほうが馴染みがあるかもしれませんが、ここではスカンジナビア諸国という言葉を使います。このスカンジナビア諸国の国と国の境にはっきりと線を引くとは難しいです。料理の面でも各国各自の伝統料理はあるものの、スカンジナビア諸国に共通する料理がたくさんあります。フランス料理から影響をうけたであろうものも見かけますが、どの料理も決まって素朴であり簡素とも言えるほど自然な料理が多いのが特徴です。

スメルゴスボード

スメルゴスボードとは直訳するとパンとバターのテーブルという意味ですが、とても豪華な料理の集大成です。ビュッフェやバイキングの元になったのはこのスメルゴスボードです。本来は簡素な料理が多く並んでいましたが、現在のスメルゴスボードはテーブルに60種類以上の料理を並べます。スメルゴスボードが生まれた原因のひとつは、面白いことに缶詰だったようです。缶詰のおかげで、多くのニシンや魚卵、レバーペーストなどの豪勢なテーブルを用意することができました。そんなに料理が並んでいると、あれもこれもと食べたくなりますがスメルゴスボードにいくつかマナーがあります。まず、1度にいろんな料理をあれこれお皿にとらないこと。そしてコース仕立てで食べることです。1番目のコースはニシン料理、2番目のコースは魚料理、3番目のコースは肉料理、4番目のコースは温かい料理の順に食べます。レストランだけでなく、家庭でも料理をたくさん並べてスモーガスボードの形式を用いる時もあります。また、クリスマス時期のスモーガスボードは、ユールボードと言って特別な形式になります。

スウェーデン風ミートボールとリンゴンベリー

甘酸っぱくて可愛らしいリンゴンベリーはスウェーデン風ミートボールには欠かせません。リンゴンベリーの爽やかな酸味と甘さがミートボールと合わさって、味に深みを加えます。
リンゴンベリーとはコケモモのことで、高山や日当たりの良い岩場に育ちます。スウェーデンの森では、リンゴンベリーはもちろん、ラズベリーやブルーベリー、クラウドベリー、クランベリーなど様々種類のベリーがありシーズンになるとベリー摘みができます。スウェーデンには自然享受権というものがあり、他人の土地においても自然を楽しめます。つまり、他人の土地であっても自然に成ったベリーやきのこは採ってもいいのです。摘んできたベリーでジャムや、パイなどを作って食べるなんて豊かな暮らしですね。
スウェーデン風ミートボールにはリンゴンベリーが欠かせないと書きましたが、日本ではなかなか手にいれるのは難しいかもしません。リンゴンベリーのジャムはIKEAなどで売っていますが、オススメはリンゴンベリーの冷凍を用いさっとジャムにして添えることです。フレッシュなリンゴンベリーを味わうことができ、ミートボールの付け合わせ以外にもお菓子やデザートのひとさらに使っても可愛らしいです。

スウェーデン風ミートボールのレシピ

材料(2人分)

[ミートボール]
牛豚合挽き肉300g
玉ねぎ1/2個
ナツメグ 少々
パン粉40g
卵1個
牛乳40g
塩 小さじ1弱
油 適量

[付け合わせ]
クレソン
きゅうり1本
塩 少々
砂糖 大さじ1/2
酢 大さじ1
じゃがいも(新じゃがなど小ぶりのもの) 4-5個
リンゴンベリーのジャム 適量

[クリームソース]
生クリーム100ml
醤油 小さじ1
ミートボールの焼き汁 適量

作り方

1. 付け合わせを作る。じゃがいもは皮をむき、塩茹でする。きゅうりはスライスして、塩をふり水分をだし、よく絞る。酢、砂糖で和えて冷やしておく。

2. ミートボールを作る。玉ねぎを粗いみじん切りにして、油をしいたフライパンで透き通るまで炒める。この時、塩を少々ふって炒めると早くしんなりする。炒め終わったら粗熱をとっておく。

3. ボウルに牛豚合挽き肉、ナツメグ、パン粉、卵、牛乳、塩を入れこねる。粗熱をとった炒め玉ねぎも加えて粘りが出るまでよくこねる。少量をフライパンで焼き、塩加減を決める。

4. まな板などの上に小さい団子状にミートボールを丸めていく。油をしいたフライパンにフライ返しなどを使ってミートボールをしき詰める。柔らかいミートボールなのではじめのうちは動かさずに、フライパンをゆすり、焦げ目がついてきたらフライ返しでひっくり返し中まで火を通す。ミートボールから脂が出て、揚げ焼きのような状態になる。

5. クリームソースを作る。フライパンからミートボールを取り出し、フライパンを洗わずに焦げなどを取り除き、生クリーム、醤油を加えて少しとろみがつくまで煮詰める。

6. お皿に茹でたポテト、きゅうりの酢漬け、リンゴンベリー、クレソン、そしてミートボールとクリームソースを盛り付ける。

まとめ

スウェーデン料理には欠かせないミートボール。スウェーデン発祥のビュッフェのスメルゴスボードでも重要な存在です。スウェーデンでは日常的な料理ですが、スウェーデン料理らしく素朴で満足感のあるひと皿です。スウェーデン風ミートボールはクリームソースと合わせることで濃厚になりますが、北欧紅茶のアールグレイスペシャルや、サージョンスペシャルと合わせるとさっぱりと美味しくいただけます。北欧紅茶とともに、よりスウェーデン気分を楽しんでください。

Profileこのレシピを考えた人

市東 玲美奈

東京から会津に移り住みスカンジナビア料理や郷土食を学び、菓子の卸やケータリングなどを行う。自然や植物を生かした料理や菓子製作の活動もしている。栄養士。

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